音質調整 お客さま篇
 

 
 

PHASSのスピーカーに関して、お客様からお問合せがあり、今回、その問い合わせ内容の詳細をご紹介したいと思います。


お問合せをいただいたのは、大阪のY様。

以前に、PHASSのスピーカーに関して、当店にお問合せいただいた事がありました。
そして、その後PHASSのスピーカーをご購入されたようですが・・・


===システム===

・ヘッドユニット(サイバーナビ)
・RCA(ベルデン)
・アンプ(ステッグ k2.02)
・AE線単線1.2ミリ
・PHASS(FD0590 フロントのみ) 13センチ アルニコマグネット
・アウターバッフル(バッフル2枚重ね。ベースMDF約18ミリ 2枚目 無垢スプルース材21ミリ)



☆☆☆Y様からのメールの内容をご紹介します☆☆☆
<pre>
デッドニングは最終的にエターナルオートさんの最適セッティングを参考に
ドア内鉄板のサービスホールはほとんどが開いたままの状態です。

スピーカー周りの穴のみレアルシルドでふさいでいます水漏れ防止のシートもそのままで
上部のみ穴を開けて内張り側へ音を逃がしています。

ドア外鉄板と内張りはところどころ(つなぎ目等)カスケードで制振しています。
ヘッドユニットのセッティングはデジタルダイレクトという機能で、パイオニアに
問い合わせたところDSPを通さずにストレートにフロントのみ鳴るようにしている
とのこと。
(本当かなあ?)まずはこれで鳴らしています。
(リア・サブウーファーは鳴らしていません)

車種・ホンダ エディックス

試聴後・・・一言でいうと「うーん残念な結果」でした。

定位・一番の懸念材料、ドアの音離れがしないことです。

運転席右足元で鳴っています。

左はたまに聞こえてくる程度で片チャンネルで聞いているような音です。
ステレオ感がまったくないです。
後部座席中央で聞くと左右バランスよくVOは中央から鳴っています。
音質・低音が全く出ていません。ただし、こもった音や硬い音ではないです。

ベースラインは低音の輪郭をなぞるような音です。
バスドラはポコポコといった感じでスネアはバケツをたたいたような
バシャバシャといった音。
シンバルはシーシーという音です。
VOはさすがにフルレンジですので聞こえてきますが(パッシブではこうはいきません)
張り、艷、厚みがなくペラペラの音です。

バランス・いいです。
さすがフルレンジの強みで一番VOが聞こえてきます。
音楽は基本的にこのように録音しているはずです。
ただバランスがいいといってもテレビの薄いスピーカーから鳴っているような、
低音、高音はカットしてでもVOを死守しているような音です。

結構厳しく書きましたがPHASSに期待がかかりすぎたかもしれません。
しかしながらフルレンジのポテンシャルの高さはうかがえます。
こんなもんではないはずです。もっとびっくりする音に変わるはずです。

さてどこをどうしていいのやら、原因はどこにあるのか思案中です。

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<pre>

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☆☆☆当店から、Y様にお知らせした返信内容☆☆☆
<pre>

</pre>
スピーカー裏の鉄板部分には吸音材を貼っていますか?
10センチ四方ぐらいの吸音材を必ず貼って下さい。
スピーカー裏が鉄板のみの場合では、裏側の音の跳ね返りを吸収出来ずに、中で反響してしまいます。貼り過ぎは、逆に良くありません。
 
もし私が、このお車を施工する場合は、もう1箇所のサービスホール (スピーカーの上部) 画像ではドアノブで少し隠れている所も、レアルシルトもしくは、レジェトレックスで塞ぎます。
そして、ビニールは取り外します。
 
内張に関しては、現時点で特にビビる箇所が無い限り問題ないかと思います。

ご使用のアンプが、かなりの出力なので、アンプのゲインを5から10パーセント程に抑えてユニットのボリュームを上げるようにして下さい。
音量控えめでお聴きになる事が多い場合はアンプのゲインは最小でもいいぐらいです。今のままでは、ユニットのダイナミックレンジが全く発揮出来ていない事になります。

その他、数日間メールにでのやり取りにて、様々な要因と考えられる事をお伝えしました。
当店からの返信内容の詳細は、長文になりますので、今回は省略致します。。。


 
☆☆☆アンプのゲインについての豆知識☆☆☆

アンプのゲイン調整でよくあるのが、取り付けるユニットに関わらず、アンプのゲイン全体の50パーセントにして調整してしまう方が大変多いのですが、それではユニットのボリュームを上げる事が出来ず、小さい音楽信号をアンプで増幅させて、スピーカーから音が出てしまいます。

音楽信号がアンプで増幅されても、ユニットから送られてくる信号(電圧)は変わりません。ただし、ユニットのボリュームを上げると、音楽信号(電圧)も増える事になります。

正しい表現かどうかは分かりませんが、アンプでの増幅は体積ばかりが増え、ユニットのボリュームでは密度が上がる・・・と言うのが分かりやすい表現です。
(アンプの機能としては、単純にこれだけではなく、他にも様々な機能があります。今回は、音楽信号のみの説明とさせていただきます。)

アンプのゲインは送られてくる信号をどれだけ大きくするか・・・です。
アンプの出力とは、関係ありません。。。

 
体感的には同じ音量でも電圧の小さい信号と、電圧の高い信号では、当然電圧の多い信号の方が感じる音に違いが出ます。
CDと圧縮音源との違いを例にすると、分かりやすいです。。。


ユニットのボリュームを上げると言うのは、単に音量が上がるだけではなく、音楽信号をより多くアンプに伝えるので、アンプを歪み無く駆動させる事を考えるとアンプのゲインを上げるよりは、ユニットのボリュームを上げて、より多くの信号をアンプに伝える方が効率的です。

多くの信号をアンプに伝えるのに使用するRCAケーブルですが、このケーブル1つでも、変わってきます。一般的にケーブルが長ければ信号も劣化し、アンプに届くまでに数%は消失していると言われたりもしています。
今回、Y様はベルデンのRCAケーブルを使用していますので、信号の劣化に関してはそれほど気にする問題ではありませんが・・・

そして、ユニットのダイナミックレンジを活かせるのが、ボリューム全体の70から85パーセントです。

試聴時にはユニットのダイナミックレンジを活かせる70から85%のボリュームに合わせてから、アンプのゲインを調整するのが一番効率的な方法です。



☆☆☆Y様からの返信メール☆☆☆


○スピーカー裏には吸音材は張っていません。
 PHASS取り付け以前のシステムが2ウェイパッシブでデジタルセッティングでした。内鉄板はレアルシルドでガチガチにかため、外鉄板は吸音材だらけ・・・
 音に不満があるからこそフルレンジとアナログセッティングを決意しました。
 いったんすべて取り払って、素の状態に戻し、少しずつ音を確認しながら吸音材をたしていくつもりでしたが、PHASSの最適セッティングを見た時、渡りに船だと感じました。
 なんせ穴だらけで簡単に手が入りますから。
 
 
その他の項目で今すぐできるのはアンプゲインの調整です。ほんの少しの時間しかなかったのですが駐車場まで走り、思い切ってアンプゲインをゼロまで下げてみました。
 
グッと音がよくなりました。!音質は聞き込んでいないので分かりませんが音離れがずっとよくなりました。!
 
確かに意識して聞くと右のドアから鳴っているのですが、フロント前方を見ながら聞くとVOはメーターあたりから聞こえてきます。ステレオ感も増しています。
 
低域は?高域は?全体の定位は?とつぎつぎに?マークが浮かびますが瞬間的な音だし確認だったのでこれ以上のことは書けません。しかしながら非常にいい印象です。希望の光が見えてきました。

しかし、アンプゲインをゼロにしたのにまさか音が出るとは! 知りませんでした。



☆☆☆Y様からの最終ご報告メール☆☆☆

吸音材入れての試聴
低音が少し、しまってきました。感じとしてはゆるゆるだったのが中身が詰まってきた感じです。しかしまだ完全ではありません。曲によって抜けていたりします。
また、スピーカー裏の鉄板の鳴きがいやな音を出していましたがそれがほとんどなくなりました。しかし曲によっては現れてきます。ハードロックなど。
この鉄板の鳴きはノラジョーンズのカム・アウェイ・ウウィズ・ミーという曲のベースラインで確認します。
鉄板が振動するとバックで流れているベースラインが除夜の鐘の音のような金属音がまじってゴーンゴーンと聞こえてきます。とてもいやな音です。
 
鉄板の鳴きが吸収されたのと引き換えにVOが吸音材の影響で人口的な音に変わりました。肉声という感じは薄れます。余韻もなくなりました。
しかしここは妥協します。ホームオーディオの領域ですので。
 
まだまだ低音が出ていない(音質的に)ので次のチェックに入ります。





吸音材はフェリソニという名前で、結構低音から高音域まで吸音してくれます。
これを片側2枚づつ貼ります。白く横一で見えているのはサイドビームです。これをはさんで上下に1本づつ貼ります。


逆相での試聴
アンプのプラスとマイナスを左右とも逆付けします。これはすぐに良くないことが判明しました。音離れしませんでした。音情報も少し薄くなった感じがします。元に戻します。
 


サービスホールの穴をふさいでの試聴
スピーカー上部のサービスホールの穴をふさぎます。仮にふさぎましたのでアルミテープにしています。
低音がいきなりでてきました。これは気持ちいいです。いままで控えめに鳴っていた低音がずっとよくなりました。中抜けもなくなりつつあります。
音離れがあり低音が出ていますので自分では妥協できる音です。焦りの気持ちもなくなってきました。
 



途中省略・・・サービスホール、その他の箇所も塞いでイロイロと試聴されたようですが、どれも良くなかったようです。。。



次は、上の画像の状態で試聴

今度はいいです。いままで一番いい音が出ます。ただ音離れは少し悪くなりましたが妥協できる範囲です。低音の締りも増しています。
 
ここでいったん納得したので落ち着きます。そしていままでは曲をしぼって試聴していましたが、時間をかけて聞き込みを開始。
 
このあたりから低音やVOに関してどうも内張りの共振がスピーカーに影響を与え低音が出たりでなかったりするように思えてきました。
原因はもっと別のところにあるのような・・・しかし、内張りの共振の音でもさほど耳障りな音ではありません。
 
考えていてもしかたがないので次の段階に進みます。
 
だいたいの曲はいい感じなのですがハードロックのドラムやベースががんがん鳴り出すと外鉄板の例の除夜の鐘が顔出します。ゴーンゴーン!いままでならこれでも妥協していましたがそこはPHASSです。


吸音材3本での試聴
なんとかしたいのでさらに吸音材を入れみます。
 
サイドビーム上に2本目 サイドビーム下1本と合わせて3本です。



除夜の鐘が消えました。ハードロックでも大丈夫です。ギターの音がカッコよく聞こえます。それと引き換えに人工的な音が増します。いわゆる吸音材特有の音で締りはありますが響きがなくなりなす。しかしここも妥協します。VOはちゃんと聞こえてきますしハードロックも聴きたいからです。


さて、この状態でいろいろ聴き込みました。以下は音に関する感想です。
 
いいところ
非常に耳につく音はなくなりました。デジタルセッティングでは聴ける曲と聴けない曲が極端でしたが全曲を通して聴けるようになりました。
今までは楽曲を聴きたいのに音のバランスの悪さにじゃまされて集中できなかったのですが今回は安心して楽曲に集中できます。

V0がどの曲もちゃんとでています。これがカーオーディオでは大変難しいところです。なので二重丸です。
クラプトンなどライブでの曲は低音と高音がきつくなりやすいのですがこのスピーカーはならないです。ハイ上がりでもないです。(ハイ上がりのライブは聴けません。生ギターやハイハットがチャンチャカいって聴けません)

ハイがきつくないので聴き疲れしません。バックで音を流しっぱなしで、気にすることなく運転できます。
試聴の項目でいっさいハイについて書かれていませんがそれだけ気にならないということです。ちゃんとハイ(高音)は出ていますがやさしい音で出ています。

全曲無難にこなしますのでランダム演奏が可能。いままでパスしていた曲がなくなりました。
VOの曲、たとえば「アデル」などバツグンとまではいきませんが聴けるようになりました。
 

改善の余地ありのところ
音離れはだいぶ良くなりましたがもうあと一歩ほしいところ。本当は右スピーカーの気配を消したいところです。

左右のスピーカーが向かい合って鳴っていることがわかるところ。向かい合って鳴っていると認識されるので音が運転席正面を向いていません。
音が広がったエッジ部で聞いているような感じがすること。
低音が少しふくらみ気味であること。ハイ上がりの反対、ローブスト系であること。

低音が少しだけ硬いこと。バスドラの革を張った、低音がギュッとつまってハリがあるのに柔らかい音が出にくいこと。
V0は出ていますがフルレンジだともっと出てもおかしくないところ。



PHASSの総評
一言でいうと「音のバランス」がいいということになります。自分としては最重要ファクターですので、ここがクリアーされています。

音のバランスがいいだけに特色がないので、これからカーオーディオをはじめる人がPHASSを聴くと普通と思うかもしれません。

一般受けするのはもっとインパクトのある、デジタルで音が正面にきて、あるいち部分に特化した音、スピーカーが好まれそうです。(ただし幅広いジャンルや長時間は無理ですが。)
華がないといったらPHASSにはかわいそうですが、もう一歩特色がほしい気もします。ただアンプを変えるとガラッと音が変わりそうです(透明感が増したり生々しく聴こえたりしそう)。

すべてを無難にこなすことがいかに難しいか分かっている人向けのスピーカー。
どちらかというと玄人うけするスピーカーで、PHASSを広めるうえで泣き所となるかもしれません。
 
PHASSのスピーカーに関して音の変化が大きかった項目
アンプゲイン調整
ドア前方穴の塞ぎ
吸音材を入れること




☆☆☆当店からの感想&御礼☆☆☆

Y様は、ご自身で理想の「音」を持っています。今回の試聴にて、これだけ音の違いを感じる事が出来るのも、理想の「音」を持っているからこそだと思います。
最近では、カーオーディオに拘りの無い方の方が多く、なかなかオーディオについて深く話しをする機会がありません。。。今回Y様のおかげで、セッティングについて再度深く考える事ができ、とても良かったと思います。


音の定位に関しては、やはりセパレートが有利で、定位のバランスが取りやすいです。
フルレンジでは、セパレートと同じようにはいきません。そこが、フルレンジで調整するにあたって一番難しい問題です。今まで、セパレートの音に慣れた方にとっては、なおさら感じる事です。。。

理想の「音」を持っていらっしゃるY様には、今後、音質が気になった時の対処法として、ドアの制振と、ドア内部の吸音(正確には、吸音材の分散)をお伝えしました。
さらに、ユニットでの調整を一切されないのであれば、4chアンプをブリッジ接続してモノラルで使用し、左右独立ゲインでの使用をお勧めしました。
そうすることで、左右の音量バランスをユニットではなくアンプで行えるので、音質の劣化なく調整が可能です。

Y様には数日にわたり、お問合せ&調整後の詳細なご報告をいただきまして、本当に有り難う御座いました。。。ホームページ掲載の件にも快くご承諾をいただき感謝いたします。

もっと沢山の方々に、PHASSの良さを知っていただきたいと思います☆



今回のY様の作業と、音質の感想については個人の感想となりますので、すべての方々に当てはまる事ではありません。音質に関しては好みがありますので、ご自身で作業される方は、あくまでも参考としてお考え下さい。
同じ作業方法でも、車種により大きな違いが出る場合もあります。



 
最高のフルレンジをさらに至福の音質に・・・


 

作業工程画像、作業詳細書面お渡しサービス

有りそうで無い・・・お客様から大変喜ばれているサービスです。。。


 
☆オーディオ施工ご依頼のお客様へお願い☆

オーディオ取り付け、施工をご依頼のお客様へ、当店からのお願いです。。。

施工期間が長く、その間に紛失などといったトラブル防止の為にも、お荷物は必ず撤去し、車内には私物の無い状態でお預け下さい。貴重品などを残したままでの作業は承る事が出来ません。ETCカードを残したままといった場合が大変多いので、お気を付け下さい。