完全制振・静音 基本編
 

 
 
当店の基本制振・静音内容
① ドア4枚(車種によっては2枚の場合も)
② フロアー
③ ラゲッジ部分(セダンの場合はトランク部分)
上記の3箇所になります。ラゲッジ部分は後方の荷物を置くスペースなどとなります。
ミニバンやハッチバックの場合の開閉部のリアゲートや、セダンの場合ではトランクのゲート部分はオプションとなります。(オプション名は、リアゲートとなります)
 
 
 
 
 
 
 
 
作業工程の画像、作業内容の詳細を書面にてお渡ししています。
どのような作業が行われたのか、ご自宅で画像をみながらご確認出来ます。
 

 
 
 
① ドアの制震・静音作業
 
 
・ オーディオ重視
・ 静音重視
 
上記の2点に別れます。もちろん混合もあります。
 
まず、フロントドアはオーディオ重視の施工が多く、純正スピーカーでもデットニング効果で、音質がUPします。
すでに、純正以外のスピーカーを取り付けている場合や、同時にスピーカーを交換される場合などは、各スピーカーに合ったインナーパネル側のデットニングを行います。
アウターパネル側は、制震をシッカリと行いスピーカーからの振動での共振を抑えます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
上の3枚は、ドアのアウターパネル内に制震を行った画像です。
 
あらかじめ下貼りとして小さめの制震材を適所に貼り付けた後に、その上から、さらに制震材を重ね貼りします。
 
ブチルゴム系の制震材は年数が経っても、シッカリと押さえて貼り付ければ比較的剥がれは少ないですが、やはり乾燥により端からの剥がれは多少なりとも発生します。
ブチルゴム系以外の制震材(代表としてレアルシルト)は、押さえが甘いと、すぐに粘着部分が乾燥して、1年で簡単に剥がれてしまいます。
 
他店で行ったデットニングのドアを何度も見ていますが、レアルシルトの周囲に剥がれ防止のテープを貼らないお店がほとんどで、端から剥がれて、デットニングや制震の効力を失っているドアがかなり多いです。。。
 
当店の制震・静音施工では、ブチルゴム系の制震材を主に使用しています。もちろん、お客様からのご希望でレアルシルトなどの制震材を使用する場合もありますが、どちらの場合でも、剥がれ防止で制震材の周囲にアルミテープを貼り付けてシッカリと押さえますので、施工後3年以上経っても、剥がれはありません。
 
ただし、制震材の剥がれ防止のテープは、クオーターの内部や、奥まった箇所など、どうしても手の届かない箇所には貼る事が出来ません。
その場合は、制震材の上から覆うように吸音材を貼ったりと、極力剥がれないように工夫して施工を行っております。
 
 
上は、制震材を貼った画像となり、ここから各スピーカーに合わせて吸音材や拡散材の追加などを行います。
 
 

 
 
下の画像は、リアドアでスピーカーを鳴らさない仕様のため、完全静音重視の施工を行っています。
オーディオ重視の場合は、スピーカーに合わせて吸音材の量を調整しますが、静音重視の場合は、スピーカーを鳴らさないので、制震材の貼り付け後、アウターパネル内の大部分に吸音材を貼ります。こうする事で、ドア内にこもったノイズを吸収します。
少し分かりにくいですが、アウターパネル内部に見える黒く見えるものが吸音材です。
 
 
 
 
下の画像もリアで、スピーカーを鳴らさず静音重視の施工です。
制震後、アウターパネルのほぼ全面に吸音材を貼っています。
 
 
 
 
 
そして、下の画像はドア インナーパネル側です。サービスホールを完全に塞いで、室内へのノイズをの侵入を出来るだけカットします。
 
 
 
 
上の画像は静音重視の施工ですが、オーナー様のご希望や当店の判断で、サービスホールを一部開けた施工を行う場合もあります。
また、レギュレターの故障が多いような車種に関しては、整備重視で施工を行います。
静音重視・オーディオ重視のどちらの場合も整備の事を考えて、主要なネジなどは塞がないようにしています。
ただし、サービスホールに関しては、整備のために一部制振材を剥がす必要が有ります。
 
 

 
 
制震材と吸音材について
 
 
制震材は主にレジェトレックスを使用しています。他にも制震材は様々な種類がありますが、完全制震・静音作業では使用量が多いため、値段の高い制震材の使用はオススメ出来ません。
1枚あたりの面積、金額などを含めてお客様にリーズナブルな金額でご提供できる制震材がレジェトレックスとなります。
もちろん金額だけではなく、制震効力に関しても確実となります。
制震材は、貼り方・押さえ方・保護の仕方で数年後の状態が格段に違います。
 
 
吸音材では数種類を使い分けますが、ほとんどでエプトシーラーを使用します。
耐熱・耐水に優れているので、車内・車外で十分対応可能です。見た目はスポンジ状ですが、食器洗いのスポンジのように水分を自ら吸収せず、どちらかと言うと弾くので、雨水などを抱き込みません。
耐熱にも優れていますので、場所を問わずに使用出来ます。
 
 
 

 
 
 
 
上の画像はドアの内張りの裏側です。
車種によって形状が様々となります。シンサレートと言う軽量の吸音材が純正で貼られている場合や、ニードルフェルトが貼られている場合、そして、全く何も無しの場合などがあります。
 
画像の内張りでは、純正でシンサレートが貼ってありました。(下画像)
内張りの制震を行うにあたり、一旦シンサレートを取り外して、上の画像のように制震材を貼り、その上からシンサレートを元の位置に貼り付けます。
 
こちらの場合は、主にオーディオ重視の場合です。内張りに吸音材を貼り付け過ぎると、音質に影響が出る可能性もあるので、内張りの吸音材は純正程度にしています。
純正で全く吸音材が無い内張りには、当店で音質の影響を考慮しながら追加します。
 
 
 
 
 

 
 
 
 
上の画像は、静音重視の場合のドア内張りです。内張りの制震を行った後に、取り付けに支障が出ない程度に吸音材を貼り付けます。
 
内張りの形状や、厚みなどによって吸音材の使用量などは大きく変わってきます。
 

 
 
② フロアー
 
 
フロアー部分は、まず周囲の内張りやシートを取って、フロアーのカーペットを剥がします。
カーペットを剥がす事が出来ない車種もありますので、その場合はカーペットをめくりながらの作業となります。
カーペットを剥がす事が出来ない車種・・というのは実際にはありませんが、剥がす場合には大きく切り込みを入れないと剥がす事が出来ないタイプもあります。
施工後の組み付け時にカーペットが大きくシワになるなど、何かしらの問題が発生すると判断した時には、カーペットを完全に外すことはせず、部分的にめくりながらの作業となります。
 
 
 
 
 
 
 
 
HYBRID などは、バッテリーが室内に搭載されている車種が多いです。
上の画像はバッテリーが、運転席と助手席のシート下部分に設置されています。リアのラゲッジ部分に設置されている車種もあります。
 
 
 
 
 
フロアーの形状も車種により様々です。
 

 
 
下は、フロアーに制振材を貼り付けた後の画像です。
 
 
 
 
全ての車種で、まずは下の画像のように小さい制振材を下貼りし、その上から大きな制振材を貼り付けて仕上げます。ほとんどの箇所が二重貼りとなり、制振材と制振材をあえて重ねて三重貼りにしている箇所もあります。
そして、制振材の周囲をアルミテープで保護します。
 
 
運転席・助手席足元奥の下のマットは(上の画像では中央上部のグレーのマット)取り外し出来ない場合が多いのでそのままですが、マットをめくって奥まで制震を行います。
 
 
 
 
 
 
 
 
全ての箇所で共通しますが、主要なネジや、整備で必要となる箇所を制震材で隠してしまうことはいたしません。
 
 

 
 
制振材を貼り付け、アルミテープで保護した上から、吸音材を貼り付けます。
 
カーペットの形状や、カーペットと鉄板に隙間によっては、吸音材が貼れない場合もあります。逆に、かなり厚めの吸音材が貼れる車種もあります。
無理に貼ってしまうと、カーペットが浮いて内張りが取り付け出来なくなったりします。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
最終的に内装がキッチリ収まる事を考慮して吸音材の貼り付けを行います。(吸音材の厚みや種類をその都度変えます)
 
HYBRID のバッテリーの吸排気などは塞がないように確認していますのでご安心下さい。
 

 
 
柱部分などに多きな空間は有る場合には、極厚のスポンジを使用して空間を埋めます。
内部の空間が大きくても、穴が小さい場合などは、小さな穴からニードルフェルトやサーモウールなどを少しづつ入れていきます。
 
 
 
 
 
 
フロアに限らず、全ての箇所で大きな空間には上記と同じ作業を行います。これにより、少しでも吸音の効果が高まります。
 

 
 
センターコンソールの裏側にも制振を行い、可能であれば吸音材を貼り付けます。
 
 
 
 
 
 
 
組み付け時に内張りがきちんと取り付け出来る事を考慮しながらの作業となります。
 

 
 
③ ラゲッジ・トランク部分
 
 
主にリアの荷物を置くスペースです。セダンの場合はトランク部分となります。どちらも開閉の扉部分(リアゲート)はオプションでの作業となります。
 
 
 
 
 
カーペットをめくるとダイレクトに鉄板が出てくる車種や、下の画像のように樹脂のケースが設置されている車種などがあります。
 
 
 
 
 
上の画像の樹脂ケースを取り外した画像が下の画像です。
 
 
 
 
ラゲッジ部分はドアの開閉時による圧を調整する通気口のようなものが付いている場合が多く(クオーター部分の場合もあります)、この通気口のようなものは塞がないようにします。そして、水漏れの場合の水抜き穴もありますので、こちらも塞がないようにします。
水抜き穴は2箇所又は1箇所の場合など、様々です。
 
 
 
 
 
 
 

 
 
鉄板の全面に制震材を貼り付けます。
 
 
 
 
アルミテープで保護した後に吸音材を貼ります。吸音材に関してはお客様のご希望やご予算に応じて貼り方を変える事も可能です。
吸音材を全面に貼り付けないで、間隔をあけて貼る事も可能です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 以上が完全制震の基本作業となります。
 
 
鉄板の可能な限りの全面にシッカリと制震を行うことが重要となります。
制震・静音施工で間隔をあけて制震材を貼っても、車体全体の制震・静音の効果は発揮出来ません。
下張りとしての部分貼りを行い、仕上げで全面に制震を行う二重貼りでの効果が高いです。
ただ、本当に鉄板の弱い箇所などは、二重貼りを行っても足りない場合もあります。
制振作業後のチェックで、三重貼りを行う場合もあります。
 
 
鉄板の強度などは、やはり昔の車や外車などがシッカリしています。現在の車はコストダウンや衝撃吸収の面で、本当に鉄板が薄くその分、走行時に車内への騒音がダイレクトに伝わります。鉄板が薄い分、車内のカーペットなどに考慮があれば良いのですが、カーペットも最低限の仕様となり、走行時における騒音はかなりのものとなります。
 
 
完全制震 基本の作業の他に、オプションで様々な箇所の制震・静音が可能です。
 
 
アンプなどを取り付けているお客様では、この機会にケーブル類に取り回しなどリセットする事も可能です。
電源類と音声信号ラインをキッチリと分けて取り回しを行う事で、ノイズ侵入の防止にもなります。
 
 
続きまして   完全制振・静音 オプション編 〜その1〜  を御覧ください
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
制振材の効果について
 
 
当店では鉄板部分及び樹脂部分などに使用する制振材はブチルゴムタイプを主に使用しています。
全ての箇所で部分貼りではなく、最大限に全面貼りを行います。(各画像をご覧下さい)
 
 
走行中の車の振動やノイズは、想像以上に凄いです。。。
この振動やノイズを根本的に軽減する役割が制振材ですが、鉄板の一部分のみに貼ったところで、例え部分的に均等に貼ったとしても軽減出来る振動やノイズは微々たるものです。制振材を貼っていない箇所に振動が逃げていきます。
 
制振材を車内全体に可能な限り最大に貼る事で、振動やノイズを基から抑える事が可能となります。
 
振動やノイズを最大限軽減するには、制震作業をいかに行うかで効果が決まるといっても過言ではありません。
同様の作業を行うショップさんは他にも沢山あるのですが、制振作業の行い方で効果が大きく変わるので必ず内容をシッカリと確認して下さい。
 
 
 

 
当店は以下の理由により、ブチルゴムタイプの制振材を使用しています。
 
 
ブチルゴムタイプ以外の制振材について
 
制振材には様々な種類があります。
・スプレータイプ
・ペーストタイプ
・樹脂層粘着シートタイプ  
・ブチルゴムのシートタイプ などなど
 
 
スプレータイプは便利に使用できますが、経年により硬化しポロポロと剥がれ落ちていきます。下処理や使用場所によっても異なりますが、剥がれずに長期で維持出来ている事があまり無いので使用を検討している場合は、考慮した上で使用して下さい。
 
 
 
ペーストタイプも品質によって異なりますが、スプレータイプより持続効果は長いですが、やはり下処理方法や場所によってはスプレータイプと同様です。
 
 
 
樹脂層の粘着シートタイプは、よく見かける厚手の両面テープのような素材です。制震効力は初期段階ではブチルゴムタイプよりも高くて優秀ですが、下処理や貼り付け方法がいい加減な場合、2年以内で簡単に剥がれてしまいます。
他店でドアのデットニングを行ったお客様のドア内部を何度も見ていますが、1年経たずで剥がれかけている状態を何度も目撃しています。
樹脂層の粘着シートタイプの制振材を使用する場合は、下処理はもちろんのこと、貼り付け後には必ず周囲をアルミテープで保護する必要があります。
ただ、周囲をアルミテープで保護しても、貼り付け方によってはやはり2年以内で簡単に剥がれます。
簡単に剥がれる理由としては、経年による粘着の劣化が原因かと思います。粘着が劣化して簡単に剥がれるという事は、当然ながら制震効果は薄れています。
ドアへの使用は特に劣化しやすく剥がれやすいので使用を検討している場合はご注意下さい。
 
少しでも持ちを良くする為には、このシートの特性をきちんと理解して貼り付け作業を行うことが必要です。
 
 
 
 
ブチルゴムタイプの制振材は、一番オーソドックスですが長期にわたり効果が持続します。当店はブチルゴムタイプの制振材の周囲をアルミテープで保護しますが、その理由は、周囲からはみ出たブチルゴムが他に付かないようにする為や、見た目の問題(作業後は一切見える事はありませんが)もありますが、乾燥を防ぐ為でもあります。
ブチルゴムの性質を考えれば、弱点は乾燥だと思います。
周囲をアルミテープで保護する事で乾燥から制振材を守り、長期に渡って効果を維持出来るので、価格や性能面でバランスの一番良いオーソドックスなブチルゴムタイプの制振材が車内の制震には適していると考えています。
 
ただ、ブチルゴムタイプの制振材も出所の不明な安価な商品があります。
以前、お客様が持ってこられて品質を確認しましたが、やはりブチルゴムの素材自体が異なるのか、付きが悪かったり、簡単に剥がれたりと、値段なりの商品でした。
 
カーオーディオメーカーなどが販売している制振材も多数ありますが、通常より厚みがあり扱いにくかったり、熱を加えての貼り付けが必要であったりと、手間の掛かる商品もあります。
貼り付けがいい加減な場合、やはり剥がれやすくなります。
使用箇所や目的に応じて使い分けも有効ですが、コストパフォーマンスが悪いので費用ばかりが増える可能性もあります。
 
 

 
 
以上のように、当店では制振材の性質を考慮し完全制震・静音施工の作業を行っています。
完全制震・静音施工で一番重要なポイントはやはり制震作業です。
制震作業をいかに行うかで効果が決まります。その上で、制震作業では補う事が出来ない部分を吸音材でカバーし、さらに効果を高めていきます。
 
制震作業が中途半端な状態で吸音材ばかりを貼り付けても、走行中の振動によるノイズを大幅に減少する事は出来ません。
 
走行中の振動を小さな制振材 数枚程度の貼り付けで効果があると考えるのは、かなり無理があります。
 
 
 

 
 
内装のビビリなどを改善したい場合は、まずビビリの箇所を特定する必要があります。この特定が意外と困難で、予想とは全く違う場所だったりします。
ピンの緩みが原因であれば、ピンを新品に交換するだけでも症状が改善されますが、例えばドアハンドル部分などの可動部分やスイッチ部分など場所によっては改善出来ないこともあります。
 
制震作業で車内全体の振動が抑えられるので、自然とビビリも改善されるのですが、弱い箇所に振動が逃げていくので別の箇所が気になってしまう可能性もあります。
 
マフラー交換によって、その振動が車内の一部分に集中して響く(又は内装のビビリ)場合は、マフラーハンガーを新品に交換する事で改善される可能性があります。
マフラーハンガーが劣化により伸びている場合は特に有効です。