スピーカー取り付けに必要なパーツは?
 

 

スピーカーの取付って、純正スピーカーから市販のスピーカーに交換の場合、単にスピーカーの本体のみを交換するだけと思っていませんか?

スピーカーの交換では、スピーカー本体以外に必要なパーツがあります。

もちろん、これからご紹介するパーツは無くてもどうにかすれば取り付けは可能ですが・・・
 


 
純正のスピーカーは、車種により形や大きさが様々です。
 
市販のスピーカーのようにある程度の決まった円形ではありません。
スピーカーのコーン部分は、純正でもほとんど形は同じですが、スピーカーを取り囲む樹脂などの部分が様々です。

 


純正スピーカー(車種不明)



 






上の2つの画像のように、高さのある土台が一体になったスピーカーもあります。



 



右のスピーカーが市販のスピーカーです。
 
この右のスピーカーの形状が市販のスピーカーの一般的なタイプとなります。
左の純正のスピーカーのように、耳の部分が出ていたり一番上の画像のように、そもそも土台を含めてですが5角形のような市販のスピーカーはありません(もしかしたら、有るかもしれませんが・・・???)



 



上記の画像は、純正の状態です。
土台が一体式のスピーカーの為、インナーパネルに直接取り付け出来るようになっています。
インナーパネルの形状に合わせて土台と一体のスピーカーを作っていると言うのがピッタリだと思います。



 
 
純正と市販のスピーカーでは明らかに違いがあります。
 
ドアの部分(インナーパネル)にピッタリフィットしている純正スピーカーを外して、明らかに純正とは違う形のスピーカーを取り付けるには、まずスピーカーをドアに取り付けるための「土台」が必要となります。

この土台を「インナーバッフル」と言います。
市販のインナーバッフルは車のメーカーごとに各数種類の決まった形の物を販売しています。
車種によっては周りの鉄板部分にまだまだ平面の部分があり、その平面部分にも土台を作れそうな余裕があるにも関わらず市販の物は形が決まっている為、面積の少ないインナーバッフルとなる場合があります。
 
様々な車種に合うように、最小面積で設計されています。

では、インナーバッフル無しで取り付けは出来るのか???
スピーカーの大きさと、車のドア部分のスピーカーホールの大きさが合えば取り付けは可能です。



少し古い車種では、一般のスピーカーのような形状の物が付いている場合もありますが、樹脂製の土台が一体ではなく、上の画像のように別で付いているタイプもあります。



 



 
インナーバッフル無しで取り付けは出来るのか???

スピーカーの大きさと、車のドア部分のスピーカーホールの大きさが合えば取り付けは可能です。上の画像のような場合では、スピーカーを鉄板に直接取り付ける事になりますが・・・

表面上では取付は可能ですが、スピーカーは、裏側にコイルやマグネット部分が出ていて、その部分がアウターパネルに接触したり、あるいはガラスに当たるなどの問題が出てきます。

純正スピーカーよりも、マグネットが大きく、スピーカー本体の厚みのある物も多く、インナーバッフル無しでそのまま取り付けを行うのが無理な車が多いのです。



上の画像は、市販のスピーカーです。
マグネット部分が純正よりも何倍も大きく、厚みもあります。
ドアによっては、ガラスやアウターパネルに当たる場合があります。



 
そして、インナーバッフル無しでの取り付けは、上記の理由もさることながら、せっかく音質を良くしようとスピーカーを交換する根本的な意味すら失います。

インナーバッフルは、スピーカーの取り付けには重要な存在なのです。

当店では、インナーバッフルの制作を行っています。
市販の決まった形ではなく、現車合わせで内張とスピーカーの距離も最短になるように、高さも調整しています。
ご希望の場合は、インナーバッフルに角度を付けることも可能です。














既製品のインナーバッフルよりも、遙かに優れた物となります。
 


 
スピーカー以外に必要なパーツはインナーバッフルだけではありません!

純正スピーカーの樹脂部分の画像をご覧いただくと分かるのですが、スピーカーの裏部分では、傘のように囲いがありす。



上の画像のスピーカー左部分。。。樹脂でカバーするように囲いをしています。



 
ドアの内部(アウターパネル部)は、ガラスが開閉します。
雨の日に、窓ガラスを全開にしたまま・・・というのは希ですが、雨の日でもガラスの開閉ぐらいは行う事もあるはずです。

水滴の沢山付いたガラスを開閉すると、スピーカー部分に水滴がかかる可能性があります。
純正スピーカーの場合は、特にペーパーコーンが多い為、水気を嫌います。少しぐらいの水滴でスピーカーが壊れる事はありませんが、少しでも水濡れ防止の役割を担うために純正スピーカーの裏部分の樹脂は、傘の代わりをしています。
ケーブルの接続部分が水に掛からないようにする目的でもあります。

では、市販のスピーカーには、純正スピーカーのように裏部分に傘が付いているでしょうか?
画像を見ても分かるように、純正スピーカーの裏部分のような傘はありません。

では、市販のスピーカーは水滴には無敵なのか?というと、違います。
市販のスピーカーでもペーパーコーン製もあり、ペーパーコーン以外の素材だからといって、防水ではありません。純正スピーカーと同様に水気を嫌いますので、当然傘も必要となります。



雨の日だからといって、ドア内部が水でイッパイになるという事はなく、車は雨水を上手く排水するようになっています。もちろんスピーカーの部分に雨水が直接大量に降り注ぐといった事はありませんが、まったく水がかからない訳でもありません。

車種や使用環境によっても大きく違います。

「傘」が無くても、スピーカーが直ちに破損するわけではありませんが、腐食や破損を早める原因となるのは事実です。

スピーカーの取り付けには、インナーバッフルの他に、スピーカーを水滴から保護する為の「傘」も必要となります。

傘の取り付け方法ですが、水を弾く素材で簡単に曲げる事が出来るもの(プロロクレンフォームやゴム素材など)を、スピーカーを取り付ける側の鉄板(インナーパネル)の裏側に貼り付けたり、インナーバッフルを上手く加工して傘を作ったりと様々です。
 


 
スピーカーの取り付けには、インナーバッフルと「傘」の他にもまだ必要な物があります。

何を目的として、スピーカーを交換するのでしょうか?もちろん音質向上の為だと思います。

インナーバッフルを使用して、スピーカーを取り付けただけでは完全とはいえません。
ただ、この段階では配線を繋げばスピーカーから音はでます。

しかし、これだけでは純正スピーカーの音質とさほど変わりない音質となっても、しかたありません。

一般的なスピーカーは、スピーカーのコーン部分から音が出ますが、コーン部分以外にも裏側から音が出ています。裏側から音が出ているという事は・・・

スピーカーの裏側部分=ドアの鉄板内部にも音が出ていることになります。ドアの内張や鉄板で、密閉(隙間は多くありますが・・・)された空間の中に、音が反響している状態になっているという事です。

インナーバッフルとスピーカーだけでは、ぼやけた音や、モワモワした低音で締まりがまるで無い、根本的に音がこもっているような状態になる場合が多いです。

そこで、改善策として、スピーカーの裏側のドア鉄板部分(アウターパネル)に吸音材(拡散材)を入れる、ドア内部(アウターパネル)に吸音材を適度に貼り付けるなどを行うだけで、こもったような音、ぼやけた音が多少は解消されます。(車種やスピーカーによって、改善策は様々なので、全てに当てはまる訳ではありません)




上の画像は、スピーカーの真裏へ使用する吸音拡散材です。その他の素材でも代用は可能です。

スピーカーを換える理由にもよりますが、音質向上の為のスピーカー交換ならば、吸音材・拡散材の使用が効果的です。

これ以上の音質向上となるとスピーカーケーブルの交換や、デットニング・アウターパネルの制震などになってしまいます。
どこまで求めるのかによって内容が多様にありますが、ここでは最小限の内容だけをお伝えします。



 
その他のパーツ

ここからは、当店ではスピーカー取付の際に必要でありながら、その詳細を細かすぎてお客様にはまとめて「ショートパーツ」の銘柄としてお伝えしているパーツをご紹介します。

吸音材などを鉄板に貼り付ける際には、鉄板部分の汚れを取り除き、油分を除去します。この清掃&除去作業に使用する専用のクリーナーや脱脂材などが必要となります。
この作業を行わないと、せっかく貼る吸音材などが、すぐに剥がれてしまいます。

インナーバッフルやスピーカーを留める為のネジが必要となります。純正の時に使用していたネジでは、長さが合わない場合が多いので、違うネジを使用します。新品でスピーカーを購入された場合には、スピーカーを留めるネジは付属のネジを使用させていただきます。

インナーパネル側に出ている配線や、スピーカーケーブルを巻く為のスポンジ。
これは、1回の作業につき結構な長さを使用します。インナーパネル内の配線のビビリ防止や保護の為に使用します。15mm幅のスポンジテープを5メートル以上使用する場合もあります。

ドアの内張り内部にスピーカーからの音漏れを防ぐ為、スピーカーの周りに内張との高さに合わせたスポンジを巻きます。(音の巻き込み防止対策)
当店でのインナーバッフルの制作をご依頼の場合では、インナーバッフルを内張とスピーカーを極力近づけるように制作するので、スポンジの高さは最小で済みますが、市販のインナーバッフルの場合は、スピーカーと内張の間が大きいので、その分スポンジの高さも必要になります。


ケーブルやスピーカーを繋げる為の端子が必要な場合があります。
純正のスピーカーケーブルを途中で切断して端子を付けたり、ケーブルを繋ぎ合わせる為に使用します。お車の状態によって、多数使用する場合や、そうでない場合など様々です。


その他、お車の状態や取り付けるスピーカーによって、使用するショートパーツは様々です。


 
スピーカーの取り付け・・・簡単なようで実は一番気を遣う作業です。

ドア内内張りのスピーカーグリル部分などが、スピーカーに当たらないか・・・
スピーカーの裏部分が、アウターパネル又はガラスに接触しないか・・・
スピーカーの配線がガラスなどに接触しないか・・・



上の画像はドアの内張りの裏側です。
スピーカーのグリル部分の外周は、スピーカー側に向かって枠のような物が出ています。この部分がスピーカーの大きさや土台の高さなどによっては、枠部分がスピーカーのゴムエッジやコーン部分に接触する場合もあります。


スピーカーケーブルの交換でご来店されたお客様の事例ですが、他店でスピーカーを交換された時に、上記の内張りのスピーカーグリルの枠にスピーカーのゴムエッジ部分が接触していて、すでに破れていた・・・という事がありました。
詳細はこちらをご覧ください。


スピーカーのコーンやゴムのエッジ部分は特に気を遣いますので、スピーカーを留める最終段階では、何度作業していても緊張します。。。



 
作業工程画像、作業詳細書面お渡しサービス

有りそうで無い・・・お客様から大変喜ばれているサービスです。。。